フランス田舎町での生活

ヨーロッパ旅行・フランス生活の体験談

フランス田舎町での生活

フランス全土で起こる大規模ストライキ、その原因、影響を1から解説!

こんにちは!

フランスの田舎町に住む日本人学生です。

私の大学では、12月5日以降、多くの授業が中止になっています。

その理由はフランス全土で起こっている大規模ストライキの影響で、パリに住む先生方が私の町まで通勤することができないからです。

フランスの文化は独特なもので、なにか不満があったらすぐにデモやストライキで徹底的に政府に訴えます。私は留学生活も2年目なので、もう慣れているところがあり、またデモとストライキか、という程度にしか思っていませんでした。しかし、先日SNSにその様子を投稿したところ、沢山の友達からメッセージをもらい、改めてデモやストライキという文化の特殊性を認識しました。その時、もっと今フランスで起きていることを日本にも拡散するべきだと思い立ち、今回記事にすることにしました。

この記事では、そもそもなぜストライキやデモが起きることになったのか、その影響はどんなものなのかについてざっくりわかりやすくまとめます。

f:id:life_france_jp:20191210063407j:plain

Le Havreでのデモ

 

デモ、ストライキのきっかけは?

そもそものきっかけは、現大統領、首相の進める年金改革案でした。

フランスの年金制度は非常に複雑で、42種類に分かれていますが、一般的に定年退職は62歳とされています。

しかし、その中で優遇されている職種がいくつかあります。それが弁護士、兵士、船員、公務員などです。

彼らは、60歳未満での退職が認められており、早く退職してもその分きちんと年金が受け取れる仕組みになっています。

しかし今回、マクロン大統領とフィリップ首相が、働いた日数に応じて年金を授与するポイント制を導入し、年金制度を一本化しようとしています。さらに言うと、従来までの一部の職種への優遇をなくし、全体の退職年齢を65歳に引き上げようとしているのです。

この改革に、優遇されていた職種の人々が話が違うじゃないかという風に猛反発して、フランス全土でのデモが起きているのです。

 

デモ、ストライキの影響は?

まず、デモはフランス全土で起こっており、警察が介入し非常に深刻化している地域や、負傷者が出ている地域もあります。

一番深刻なのが、冒頭でも少しお話した通り、交通機関が麻痺していることです…

というのも、鉄道関連の職業や国鉄の職員も以前の年金制度では優遇されていたため、新たな制度の下ではより長く働かなければいけなくなってしまうのです。

それに抗議するために、大規模ストライキが起こり、、フランスの電車や地下鉄の一部が運転見合わせ、さらに一部航空会社のフライトも欠航、という事態になっています。

それを受けて学校を閉鎖、また美術館の展示室を閉鎖したり、お店の営業時間を短くしたりと、対応しています。

レポートによると、国内経済への打撃はなかなかに大きく、売り上げが例年の30%マイナスになっている店舗も少なくないとのことです。

クリスマスマーケットで賑わうはずのフランスが、沈んでいるというのは悲しいものです… 

 

これからどうなるの?

今回の場合、今のところ両者譲らず、という状況です。しかし、実はまだ年金改革案は正式には発表されておらず、今月11日に発表される予定だそうです。

それを受けて、また変化があったら記事にしたいと思います。

 

デモ、ストライキについての個人的見解

最後に少しだけ個人的な意見を書きたいと思います。ただの主観ですので、その点ご了承くださいね🙏

今回改めて、デモやストライキがフランスで非常に重要な権利の一つとして認識されているということが分かりました。前にフランス人とストライキについて話していた時に、日本ではストライキをせずにどうやって政府に意志を伝えるのか、ただ言われた通りに従って何も反抗しないのか、と聞かれたことがあります。確かに、日本人は平均的に、フランス人よりも政治への関心が低いように感じます。(あくまでも主観です)

政治の授業でディスカッションしていても、日本人は自分の立場を明確にして意見を主張するのが明らかに苦手なように感じられました。政治について人前で堂々と話さないというのが日本の文化であるとすれば、政治に反対するためならどんな権利も使うというのがフランスの文化であり、どちらが優れている、劣っているという問題ではないと考えています。

また、別の視点から考えてみると、フランス人はあくまでも生きるために働く、のであり、決して働くために生きるのではない、ということが伺えます。多くのフランス人が、少しでも短く働きたいと考えているからこそ、起こっているデモ、ストライキだと思います。(もちろん、職業柄、高齢で働くことができない人もいますが、その他の人々に関してです)

そこに関しても日本人との違いを実感しました。日本は世界的にみても有給の消化率が非常に低いです。フランス人から言わせると、働かなくてお金がもらえるのになんで休まないのかわからない、のだそう。今回の年金改革案で考えてみても、日本人は、働かなくてもお金をあげます、と言われた時、全員が仕事をやめるでしょうか。仕事をしているのは果たしてお金だけのためでしょうか。そう考えた時、答えはわかりませんが、確かに、フランス人と日本人では、人生における仕事の捉え方がかなり違うと日々実感しています。長くなってしまうので、このことに関してはまた後日記事にしたいと思います。

色々な考え方があると思いますが、一学生の意見として捉えてくださいね。全体を代表して意見を述べているわけではないので、その点ご了承ください!

 

 

今回は、今フランスで起きているデモとストライキについて簡単に解説しました。

一部しか書いていませんので、詳しいことが気になるという方は是非、ニュースなどチェックしてみてください♪

では、ブックマーク、シェア、いいね、コメントよろしくお願いします!

Au revoir、またね!